オンラインカジノは違法でパチンコは合法?──警察とパチンコ業界の癒着構造が生むダブルスタンダード

オンラインカジノは違法でパチンコは合法?
警察とパチンコ業界の癒着構造が生む、法のダブルスタンダード
■ “合法”パチンコと、“違法”オンラインカジノの境界線はどこにあるのか
いまや日本の街に溶け込んでいるパチンコ店。駅前や繁華街に堂々と立ち並び、誰もが目にするその存在は、「違法」どころか、むしろ“当たり前”の風景として認識されている。
だが、一歩引いて法的視点から見れば、その構造はきわめて奇妙だ。
パチンコで得た景品は、近隣の「景品交換所」で現金に換えられる。この三店方式というからくりにより、「あくまで現金化しているのは第三者であり、パチンコ店自体は賭博に関与していない」という建前が成立する。
これは誰が見ても苦しい詭弁だ。にもかかわらず、この構造が長年“合法”としてまかり通っているのはなぜか?
その背景にあるのが、警察とパチンコ業界の露骨なまでの癒着構造だ。
■ 警察がパチンコ業界を握り、パチンコ業界が警察の“第二の財布”になる現実
パチンコ業界は、警察庁とその外郭団体によってあらゆる段階で管理されている。
- 遊技機の仕様が適正かどうかを試験するのは、警察庁所管の「保安通信協会」
- 営業に供して良いかの検定は、都道府県の公安委員会(=警察)
- 店舗営業の許可も、公安委員会の管轄
つまり、警察がパチンコ業界の「生殺与奪」を完全に握っているのである。
そして、その見返りのように、パチンコ業界は警察OBの“天下り先”として機能している。
事実として、次のような癒着の実態が明らかになっている:
- 保安電子通信技術協会の前会長は元警察庁長官・山本鎮彦
- 協会職員の3人に1人が警察出身
- パチンコメーカー「アルゼ」は元警視総監・前田健治を顧問として招へい
- 「東京商業流通協同組合」「東京ユニオンサーキュレーション」など業界団体に、警察OBが続々天下り
- 大手パチンコチェーン「コンサートホール」は、店舗ごとに警察官の天下りを求人で受け入れる姿勢を明示
ここまで来ると、もはや「癒着」ではなく共犯関係と呼ぶ方が正確ではないか。
■ 一方、オンラインカジノは“見せしめ”の摘発ラッシュ
その一方で、インターネットを通じて海外の合法ライセンスを持つオンラインカジノを利用した一般市民が、次々と逮捕されている。罪状は「単純賭博罪」。刑法185条に基づく、金銭を賭けた遊戯そのものを禁じた明治時代の法律だ。
驚くべきことに、オンラインカジノに特化した法律は日本には存在せず、国会答弁でも**「成立することがあると考えられる」**という、極めて曖昧な認識にとどまっている。にもかかわらず、起訴、有罪と進んでいるケースも出てきている。
つまり、法の整備がされていないにも関わらず、「利用者は犯罪者」として摘発され、メディアで晒される。まさに見せしめである。
■ なぜオンラインカジノは狙い撃ちされ、パチンコは守られるのか
その理由は明白だ。
オンラインカジノは警察利権に関わらないが、パチンコは警察の利権そのものだからである。
パチンコ業界からの“人材流通”や“利便供与”がある限り、警察が自らの手でその構造を破壊するはずがない。むしろ、自らの利権を守るため、オンラインカジノのような“無関係な競合”には容赦なく摘発のメスを入れる。
結果、パチンコという巨大業界は違法性を問われず、「ネットで遊んだだけ」の市民が逮捕される──それが、いまの日本の現実なのだ。
■ 結語:この国に、法の公平は存在するのか?
賭博に関する日本の法律は、明治時代に成立した古びた枠組みに過ぎない。そして、その法運用は警察の利権と癒着によって大きく歪められている。
オンラインカジノ利用者に対する摘発ラッシュは、法の整備ではなく利権の論理によって起きている。市民を守るはずの法が、利権構造の下で恣意的に運用されているのだ。
このまま見て見ぬふりをするのか?
それとも、私たちはこの歪んだ構造にメスを入れ、公正なルールを求めるのか?
答えは、すでに明らかだ。
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