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オンラインカジノは「見せしめ逮捕」の道具か──吉本芸人6人書類送検、その不起訴前提の摘発劇を追う

2025年4月、吉本興業所属のお笑い芸人6名がオンラインカジノの利用によって賭博の疑いで書類送検され、芸能界に衝撃が走った。

書類送検されたのは、M-1グランプリのファイナリスト経験もある「ダイタク」の吉本大氏(40)、「ダンビラムーチョ」の大原優一氏(35)ら計6人。いずれもバカラやブラックジャックなど、違法とされるオンラインカジノにアクセスし、金銭を賭けていたと報じられている。

■「グレーだと思っていた」芸人たちの証言

警視庁は今回、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて東京地検に送致。しかし本人たちは「グレーだと思っていた」と供述しており、賭博行為の認識そのものが曖昧であった様子がうかがえる。

ここに、オンラインカジノをめぐる最大の矛盾が存在する。つまり、「違法のはずだが、取り締まりと処罰が一致していない」という点だ。

■若狭勝弁護士「起訴猶予になる可能性が高い」

注目すべきは、元東京地検特捜部副部長・若狭勝弁護士(68)の見解だ。彼はメディアの取材に対し、「不起訴処分にあたる起訴猶予になる可能性が高い」と明言している。

元衆院議員で元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士(68)は、不起訴処分にあたる「起訴猶予になる可能性が高い」と見解を示した。

オンラインカジノ問題を巡っては、吉本興業所属の複数人のタレントが任意で事情聴取を受けていることが2月に発覚。今回公表された6人は、事情聴取を受けた対象者の中でも「比較的重い」罪状と推察される。その上で、書類送検になったことについて「悪質性がないから今回の判断になったのだろう」とした。

賭博罪には賭け麻雀などにあたる「単純賭博罪」と「常習賭博罪」の2種類がある。判断の分かれ目は「期間や頻度、常習性、回数がベースになる」という。金額の大小はのめり込み具合の目安となるだけに、判断に影響が及ぶという。「単純賭博となると頻度や賭けた回数、常習性があるか、というあたりで罰金か起訴猶予かが決まると思う」と推測した。

警視庁が書類に起訴を求める厳重処分の意図をつけたことは「注意喚起」の意味合いがあるとした。単純賭博にあたるケースは一般的にも多く「カジノを開催している人を罰したほうが良い。やっている人が多いので単純賭博は厳しい取り締まりをすると跳ね返ってくる」と大元の処罰の必要性を指摘し「起訴猶予であるべき」と私見を述べた。

出典:日刊スポーツウェブ魚拓

実際、過去にもオンラインカジノ利用を巡っては、逮捕や書類送検はあっても、刑事裁判に持ち込まれず“処分保留”や“不起訴”で終結する例が少なくない。

これは、日本の刑法が前提としている「胴元が国内に存在する賭博」と、インターネットを通じて海外の運営主体と直接つながる「オンラインカジノ」との法的構造のズレに起因している。

■オンラインカジノは“現実的に裁けない賭博”か?

刑法第185条「賭博罪」は、形式上は個人であっても金銭を賭けた時点で成立する。しかし、オンラインカジノの多くは運営元がマルタ、キュラソー、ジブラルタルなどの海外に拠点を置いており、日本の法執行機関がその実態を直接確認・把握することは困難を極める。

その結果、捜査機関は「ユーザー」だけを取り締まることになり、構造的には「片手落ち」とならざるを得ない。さらに、カジノサイトに入金された金がどのように流れているかを証明することも難しく、マネーロンダリングの実態解明にも限界がある。

■なぜ“逮捕はされる”のか

ここで疑問が浮かぶ。起訴が難しいにもかかわらず、なぜ警察は摘発や逮捕、書類送検に踏み切るのか?

一つは「社会的警告」や「見せしめ」の意味合いがあるとみられる。とくに吉本興業のような著名な芸能事務所に所属する人物が対象になれば、世間へのインパクトは大きく、ネット上でも「違法なものは違法」「見せしめだ」と両論が交錯する。

だが、法的な整合性を欠いた摘発は、「一部の人間だけが不公平に罰される」という逆差別の温床にもなりかねない。

■メディアが「オンラインカジノ」に飛びつく理由

今回の事件では、マスコミ各社が「オンラインカジノ」というキーワードを見出しで強調した。これは、単なる違法行為の摘発報道ではなく、背後にある巨大な“カジノ利権”への意識を世論に植えつける意図すら感じられる。

近年、日本ではIR(統合型リゾート)をめぐる動きが活発化しており、「合法カジノ」と「違法オンラインカジノ」の線引きは極めて微妙だ。そうした中で、“悪いギャンブル”としてのオンラインカジノを強調することで、「国が認めるギャンブル」への道筋を正当化しやすくなる。

つまり、報道には“意図的な構図”があると疑われても不思議ではない。


■結論:「オンラインカジノは違法」だが「起訴できない」不思議な構造

オンラインカジノは明確に違法とされながらも、現実的に起訴や有罪判決が難しい。その矛盾こそが、日本の刑法とインターネット社会の摩擦点だ。

吉本芸人の書類送検は、単なるスキャンダルではなく、「日本の法制度がネット社会に追いついていない」ことを示す象徴的な事件だといえる。

オンラインカジノ問題に関する今後の対応について

このたびは、弊社所属の複数のタレントがオンラインカジノを利用し違法な賭博行為をしたとして、捜査当局の事情聴取を受けるなどしており、関係者の皆様には多大なご迷惑をおかけしていること、また、ファンの皆様に大変ご心配をおかけしていること、心からお詫び申し上げます。

過日お伝えしたとおり、現在、弊社におきましては、捜査に全面協力すると共に、外部の弁護士を交え、タレントに対して複数回にわたるヒアリングを実施するなど、事実関係を調査しており、各タレントとも今回の問題について真摯に向き合っているところでございます。

最終的な処分等は、捜査の結果等を踏まえることになりますが、事実関係が確定し、様々な判断が決するまでは、関係各所及び本人とも協議の上、順次、芸能活動を自粛させていただいております。

オンラインカジノの違法性につきましては、昨年も研修等を通じて、複数回にわたり、全ての所属タレントに啓蒙しておりましたが、このような事態を招いたことを踏まえ、現在、弊社ガバナンス委員会を中心として、外部有識者や関係機関にも相談しながら、再発防止や各種問題の解消に向けた様々な方策を検討しております。

今回の問題に関する弊社の取り組みにつきましては、決まり次第、お知らせさせていただきます。

出典:吉本興業公式サイト

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