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テニスに賭けたら有罪、ポーカーやった警察官は不起訴──日本の賭博罪、終わってない?

偶然に賭けているのか?──テニス・競馬・eスポーツ・ファンタジースポーツの違いを解説

卓球の丹羽孝希選手が「テニスの試合結果」に賭けたとして略式起訴された事件が話題となっています。しかし、スポーツの勝敗への賭けが本当に「賭博罪」に該当するのか、疑問を抱いた方も多いのではないでしょうか。

本記事では、刑法上の賭博罪がどのように構成されているかを解説しながら、テニス賭博と競馬、eスポーツ、ファンタジースポーツとの違いや共通点について、専門知識のない方にもわかりやすく比較していきます。

賭博罪のカギは「偶然性」

日本の刑法185条は、次のような考え方に基づいています。

他人と一緒に、お金やモノを賭けて、「偶然」で勝敗が決まるようなことをすれば、それが賭博罪となる。

この「偶然」とは、サイコロやルーレットのように、プレイヤーの努力では結果が左右できない「運」によるものを指します。

例えば:

  • サイコロを振って出目に賭ける → 偶然 → 賭博罪に該当
  • ルーレットで赤か黒かに賭ける → 偶然 → 賭博罪に該当

このように、射幸的(偶然頼み)な勝負にお金を賭けると違法になるというのが刑法の基本です。

テニスの勝敗に賭けるのは偶然なのか?

丹羽選手が賭けたのは、他人のテニス試合の「勝敗」です。しかし、テニスの結果は以下のような要因で決まります。

  • 選手の実力差
  • コンディションや体調
  • 戦術や対戦成績などのデータ

つまり、完全に「偶然」による結果ではなく、分析・予測が可能な対象だといえます。

競馬との比較──実は「合法化されている」だけ

競馬も、レースの結果にお金を賭けるという意味では本質的にテニスと似ています。

しかし、競馬・競輪・競艇などは、公営ギャンブルとして「特別法」により例外的に合法とされています(例:競馬法、モーターボート競走法など)。

逆に言えば、制度がないテニス賭博が違法なのは、偶然性の有無というよりも「制度の有無」に起因しているのです。

eスポーツとの比較──ゲームでもスキルが全て

近年人気のeスポーツ。『VALORANT』や『League of Legends』などでは、プロ選手たちが高いスキルで競い合っています。

このようなeスポーツの勝敗に賭けた場合:

  • 運ではなく、プレイヤーの技量や戦術が勝敗を決定
  • 事前の戦績やチーム構成である程度予測可能

したがって、完全に偶然に左右される「射幸性」は低く、スキル主導の競技といえます。

ファンタジースポーツ──データ予測ゲームに近い存在

ファンタジースポーツとは、実際の選手を自分の仮想チームにドラフトし、試合の成績によってポイントを稼ぐ仕組みのゲームです。

この場合:

  • 選手のパフォーマンスを予測するスキルが重要
  • 確率的というより、戦略的な判断が求められる

アメリカでは一部の州で、「スキル型ゲーム(Game of Skill)」として合法とされる例もあります。

ポーカーは不起訴、テニスは有罪?──整合性の疑問

最近では、オンラインでポーカーをした警察官が不起訴になった一方で、丹羽選手のようにテニス賭博で処分された例もあります。

しかし、ポーカーにもある程度のスキルが関係するならば、テニスの方が「予測可能性が高い」分、むしろ合理性のある賭けとも言えるのではないでしょうか。

「ポーカーはスキルだからOK、テニスは偶然だからNG」という判断には、一貫性があるとは言い難いのです。

結論──「偶然性」という基準は、すでに時代遅れでは?

こうした時代背景を踏まえれば、今後は「偶然性」による一律の判断ではなく、次のような視点から賭博の違法性を判断すべきです。

  • どのようなルール・制度のもとで賭けが行われているのか?
  • 公的に認められた仕組みがあるか?
  • 透明性や公平性があるか?

丹羽選手の事案は、刑法が想定していた「偶然に賭ける時代」が終わりつつあることを示しています。

今こそ、スポーツやeスポーツ、予測市場をめぐる「賭け」のあり方を、現代に即した形で見直す必要があるのではないでしょうか。

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